逃げてくあの娘にゃ聴こえない

今は言葉を言葉のまま受け取るくそったれな時代だから
もうロックなんてとっくにおしまいだよねって
マッケンローなあの娘の一言に
やけに傷ついちゃって
やけ酒で頭クラクラときめいちゃって

*

ちぎれたラジオからノイズまみれのドレミファ
ため息にまみれたぬるいコーヒーにはやさしい
今年は花火、またたくさんやってくれるかなあ
この星の直径を越えるくらいの大きさのやつで
真っ赤に深紅に悪いやつら爆発させてほしいよ
そうでなきゃモッシュもダイブもままならない
もっと肩肘張らずに適当に生きていいんだって
だけど、誰かのせいにだけはしちゃだめだって
弱さを弱さのまま受け止めてあげなさいってさ
そんな冷たいこと言って突き放そうとしないで
割安でお買い得な節税効果に溢れる愛をくれよ
ビタミン満点の万札で栄養失調な俺を包んでよ
そうでないのなら初めからほっといておくれよ
俺はノスタルジーでセピア色したシルエットを
夕焼けと重ねて、一番いいころ合いのところで
さよならってお別れ告げたいだけなんだからさ
きみと玄関でしたおやすみのキスにいつまでも
しがみついてしがみついて、どうかしてるよね
バカで千鳥足なくらいがちょうどいいんだよね
中途半端に頭が良いとすぐに両手離しちゃうし
全力で逃げようとする君を繋ぎ止めるためには
笑えるくらい壊れて釣り合いをとらなきゃだろ

*

傷つけないようにわたあめみたいに都合良く話しかけても
逃げてくあの娘にゃ聴こえない
ロックみたいな思いやりがごっそりと欠けたデカい音じゃなきゃ
逃げてくあの娘にゃ聴こえない

投稿者

東京都

コメント

  1. つまづきながら楽しく読みました、映画の「モテキ」を思い出しました。

  2. 文字数の揃えが俳句のように目に映りました。

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