子供たちは真夜中を指さす

かの祖父
老いぼれはスパゲティ戦から帰還した
その時に産声をあげた
竜に齧られた子たちは
みな寡黙

明け方の道
ゴシックホラーの生贄のような気分から逃れるように
深い川沿いの流れに逆らいながら登り歩き
帰路を目指した

抽象化した老婆は暗闇のモニターの前で
角膜にミサイルのニュースを延々と映している
自らのくしゃみで蝋燭の灯が揺らめいて
冥府のネオン管が明滅している

人生は真夜中
無限の迷路のなか
ジャズエイジの瑕疵でできたシャンデリア
禁酒法下のカクテルパーティーでチェリーは行き場を失くし
投げ込まれたデリバリーピザのチラシのように
疲弊したベッドに飛び込めば
子供たちが指さす
紅白梅の金屏風の裏側から聴こえる
胎動するヴォカリーズ

投稿者

東京都

コメント

  1. 一つ一つの言葉の新鮮さが良いです。時代感・場所感も縦横無尽で、徹底的にイメージ化された登場人物の姿が折り重なって、ポリフォニーのようでした。

  2. 突飛な比喩による言葉の断裂とその後の滑らかな文の繋がり具合によって音楽的なリズムが生まれています。それが心地よい。一気に読み終えることができる詩の長さも丁度いいですね。

  3. よくわからないけど、イイ^^

  4. いろんなことをひっくるめて、世の中を楽しむような、諧謔の詩と思いました。

  5. かっこいいです。鮮烈な表現がたくさんで。

  6. 僕は次から次へと迫り来るこの暗喩・比喩のコラージュに正直ついていけてないが、じいさんと抽象化されてしまったばあさんの残像が網膜に現れてあやうく眠れなくなるところだった。

  7. すごいなあ。

  8. 不安が言葉を産み
    開いた心が光を出す
    という体系から抜け出して
    独特の陶酔感を生み出しています
    キレてる〜!

  9. トノモトさん<ありがとうございます、自分は映画のシナリオから詩を書くようになったので、カットのイメージを言葉にしているのをモンタージュ的に繋いで、異化、類化性から物語または、反物語、非物語を目指しています、表層が重層化することで奥行きなどが出るかなと思います。

  10. たかぼさま<ありがとうございます、どうしても突飛な繋がり。イメージが先に出ちゃうので、意識や感情は後から、って感じです。なだらかでなめらかな、流れるような文章に憧れもあります。

  11. りゅうさん<自分の飼っていたシーズーも、理解不能なくらい耳が臭かったです。それが好きでした。

  12. 服部さん<詩人の方は、本質を見られるので、嘘はつけないです。自分の性質の根本にそういうところがあります。

  13. あまねさん>ありがとうございます。言葉に頼りすぎている部分も多いです。

  14. 王様>ありがとうございます、自分もそんな感じです、自分で書いていて無責任な言い方ですが、最初に書きたかったのと全然違ってしまって、まいってしまいました。2ヶ月たっちゃったんで、放ちました。

  15. たちまこさん>すごくないヨ、最近のたちまこには、シャーマンのような霊媒を感じています。

  16. ナツさん>ありがとうございます、陶酔できたらいいです、醒めてまた、我に帰って、その繰り返しで、、不安感から書くことは多いです。ほとんどそうかも。

  17. スタイリッシュな諧謔ですね。コロナ禍の現在を見つめているようでもあります。

  18. 長谷川様<コメントありがとうございます、今後の励みにします、自分はストックを持っていないので、その時々にあるもの、自分の中にあるもの、日和見と言われるのですが、花を生けるように詩を書きたいと思います。

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