まわり道

曇っている下で、
雨上がりの葉は つやつやとしている。
並木道をあるく初老の私は
草で編まれた帽子をかぶり
とぼとぼと
明日を
忘れる

えいえいえ
霊園のわきを通り過ぎると
雲のすきまよりもれる お日さまからの
清々しい光は 一途な影をつくり
初老の帽子は思わず
ほほえんだ
雲間へ向かって
ありがとう
済んだことも これからも ありがたい

晴天だけが
良い天気とは
限らないけれどね
この道の
さまざまな物事の呼吸は
まわりまわって 人知れずつながる
あなたと

川岸の広場にある、長椅子の、水をはらって
深緑の手ぬぐいで手についた水をぬぐう
私は
できることをする
明日を雨上がりの葉のように思い出し
その時も呼吸をしている
晴れつつある
いのちの。川音の静けさに 満ちる

投稿者

新潟県

コメント

  1. 「明日を忘れる」とか「できることをする」とか、おそらく人生とはそうであるべきで、色んなものを求め過ぎてる自分自身を恥じ入りました。「晴天だけが良い天気とは限らない」って思えるのって、素晴らしいことですね。

  2. トノモトショウさんへ ここぽえ会に投稿した私の詩「鬼蜘蛛と私」に書いてある通り、「命は原初から欠けている」から私は何かを求めるのだと思います。その何かとは「命」を求めるのかもしれませんし、他の何かかもしれません。
    できることをする、ということは、逆を言えば できないことは できないということです。
    農作物などについて言えば、カンカン照りの日照り続きでは作物が枯れてしまいます。そう思えば雨も時にはいい天気ではないでしょうか。
    あなたさまの貴重なご感想をありがとうございます。

  3. こしごえさん、素晴らしく素敵な詩ですね。
    過去・現在・未来という縦の連なりと、できることをする、つまりできないことは誰か別の方の役割であるという意味での横の連なりが、連なって初めて丸(ひとつ)になるイメージが心に響きます。

  4. 晴天だけが/良い天気とは/限らないけれどね
    この3行が好きです。…そして、私は、できることをする。

  5. あぶくもさんへ 素敵な詩と言ってくださいまして、ありがたいです。
    さまざまな連なりを思ったりして頂いたことと、それらを丸(ひとつ)として汲んで頂いたことをうれしく思います。
    ああ、ありがとうございます。

  6. 長谷川さんへ うん。
    その3行が好きと言ってくださいまして、ありがたいです。
    そうですねぇ。当然と言えば当然なのかもしれませんが、私は、できることをするしかありません。うん。
    ご感想を、ありがとうございます。

  7. 心の在りようがいいですね。とくに3連は深いです。

  8. 皆様の貴重なご感想を頂けることで、私自身気付けなかったことにも気付けることができます。
    皆様のご感想はありがたく うれしいものです。
    皆様へ ありがとうございます。

  9. 剛さんへ ああ、ありがとうございます。要を汲んでくださいまして、ありがたいです。

  10. 剛さんへ追記を失礼します。要というのは、「この詩の」要ということです。拝礼

  11. 時が穏やかに流れている感じがしていいです。今日では失われつつあるような生活風景や心情が見えて^^

  12. りゅうさんへ この詩から そのように穏やかな時の流れなどを感じたりしてくださいまして、ありがたいです。ありがとうございます。^^

  13. 頭が効率的とか、合理性に、塗れている自分には、そういった「まわり道」する時間に満たされる気持ちがあることを、少し思い出せました。

  14. timoleonさんへ うん、そうですねぇ。世の中、いろいろとあるでしょうが、いろいろな物事はまわりまわってつながっているのだと思います。
    この詩が、あなた様の役に少しでも立てたようで良かったです。
    それを私に伝えてくださいまして、ありがとうございます。

  15.  あしたを
     忘れる
    この二行に心をすっかり奪われました。

  16. たちばなさんへ 明日を忘れる、ということはふつうに考えれば、明日のこと・明日があることを忘れる、となりますね。でももっと言えば、何度か経験した明日を忘れる、つまり、宿命の中での明日とも言えます。なのでまわり道。
    その二行にひかれてくださいまして、ありがたくうれしいです。ありがとうございます。

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