ポエコラ 001

この度ご縁がありまして、春から久々に復活した『ぽえ会』の最初の「感想文的コラム・ポエコラ」を書かせていただくことになりまた。これから「詩の魅力とは何か?」ということを、皆様と考えてみたいです。

9月の投稿作品はおよそ112作品。その中で印象に残った作品を紹介します。僕は詩を読む時、作者の個性(自分らしさ)とともに「読者に伝わる魅力があるか?」を考えます。そして、以下のいずれかの要素が大事だと思います。

① 1篇の詩がその詩らしく実っているか。

② 詩の中に一本すじ(背骨)が通っているか。

③ 意味は分からなくとも、何か魅力を放つ詩であるか。

まず数篇の詩を紹介した後、最後に「素晴らしい!」と思った特選3篇を発表します。

〇 南大賢さん「心の琴線」(9/7)

<ラジオの声が 今日も触った/私の心の琴線に>と、語る温かい言葉の中に、読者の心に伝わる箇所があります。キャッチーな言葉は1度読んだら、心に残ります。 

〇 ネコタサチエさん「綿霞の中の疾走」(9/2)

唯一無二の個性と感覚のある人で、日々の-を+に変換するポジティブな心は、読者の心を照らします。「僕もネコタさんのように、無我夢中に疾走したい!」と思います。

〇 いまりさん「結婚式」(9/25)

珍しいスタイルの詩。この詩の中に「一枚の絵」を描いてゆく感覚で、過去の愛が浄化されるようです。4・5連の<ハンガー・暦・桃>等は、そのままシンプルな言葉を置くとより伝わるのでは、と思いました。

復活した『ぽえ会』には「画詩」のジャンルもあり、次の2篇が印象に残りました。

〇 りゅうさん「奥ゆかしさ」(9/27)

作者の語りがそのまま詩となり、心の声が聴こえます。さりげなく語りつつも<サムシングニューね、探して燃えてるのね>等、いいフレーズがふいに現れます。詩のラスト1行は語りを抑え、詩の着地点を探究すると、より魅力ある詩風になるでしょう。秋の月の写真も素敵です。

〇 那津na2さん「2段ベッド」(9/27)

まさに「画詩」のコラボで遊び心もあり、父と息子の会話もリズムがあります。「タイトル=オチ=息子の願い」となってますね~「シッコとおゲロを同時に出した日」、パパゴンは大丈夫だったのでしょうか!?

さて、ここからは「今月の特選3篇!」の発表です。

〇 王殺しさん「満月」(9/24)

満月の夜の男女の描写から、想像を掻き立てられます。ふたりの会話の妙があり、まるで映画の台詞を聴いているようです。6連のふたりの描写から、月夜の魅惑と浪漫が伝わります。 

〇 長谷川忍さん「記憶街」(9/25)

同じ文字数を1行ずつ置く作風に魅かれました。ある詩人が「詩作とは、歩行のリズムである」と語るのを聞いたことがありますが、作者は「歩行の詩人」でもあり、群衆の中を歩きながら、自分自身を見失わぬように耳を澄ます姿も印象的です。<街の最中へひとつの妙を散らしていけ>という詩句にも共感しました。

いよいよ…9月の全作品から『ぽえレポの素晴らしい詩(し)』を発表いたします、ジャジャ~~~ン!!

  • イチカワナツコさん「人生は選択したのち洗濯」(9/17)

青春の季節を懐かしみ、子供たちの洗濯物を干す日々を何気なく大切に思う情景が、目に浮かびます。 

姓が変わり
子を持つということは
山を歩き続けて
或いは空を仰ぎ見続けて
終わらない遥か先に飽きることなく
胸がときめいて高揚し
それでいて清々しく呼吸が荒くなる
靴の汚れを気にする余裕はない
天気だけは気にする(洗濯物)
山も空もどこまでも続く
そんな感じ

ここはとくに…感動しました。人生の酸いも甘いも経験してきた女性詩人が、晴れた日に洗濯物を干しながら「この日々も悪くない」と呟く心の声を、皆様と分かち合いたくなる、優れた詩です。

以上、第1回の「ポエコラ」でした。これからの『ぽえ会』が皆様の詩と心あるコメントにより、それぞれの詩を育む言葉の畑となりますように、願っています。

  • なお、「詩と思想」(土曜美術社出版販売)11月号 で、『ぽえ会』や僕の詩の番組『ぽえとりーサロン』について書いているので、もし興味のある方はご一読ください。