その一歩
踏み出すことが
怖かった一歩
足がすくんで
動けずにいた
見つめるほどに
深くなる溝を
見通そうとしていた
道が途絶えて見えた
越える勇気はないと
足は震えて
ふと振り返れば
歩いてきた道は
真っすぐなようで
大きく曲がっているようで
ここが目的地なんて
歩いているうちは
思いもしなかった
踏み出すことが怖かった一歩は
ためらい、曲がった五十歩となって
越えられない溝は
悩み、踏み分けた千歩となって
ノギクやツメクサに彩られ
歩き続けたことだけは
変わらずに
幾度目かの深い溝
絶望を飲んで切れ込み
これから辿る道の険しさを思う
曲がっていても
勇気がなくても
ただ 足の裏で
大地を 確かめる
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