さがす
あなたがいない
栗の花の匂いを辿り
不吉な街角をいくつも曲がり
牡牛が溢れる酒場を何軒ものぞき
ジャングルジムの首括りを一人づつ確めた
でも
あなたはいない
あなたはどこ
あなたという影絵は
川沿いの公園で
透明な犬の背を撫でながら
あなたは
毎日風の言葉を読んでいた
一度だけあなたを見た
どこにも行かないバスの降車場で
赤いベレー帽が浮遊し
鎖に繋がれた人びとの中で
一か所だけ細い救済の光が射していた
それは一時のことで
羽虫のように群がる囚人となり
陰気な花婿のわたしは
今日もあなたをもとめる
溺死者が海底を目指すように
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