宛先不明

名前を呼ぶ。
何かを確かめるかのように繰り返し、
あの子の名前を呼ぶ。
大海原にパラパラと砂を撒くみたいに、
無意味にずっと呼んでいる。

凪いだ水面に憧れる。
波打ち際ですぐに崩れる砂のお城を作ってみる。
いたずらにそれを壊してみせる。
これを見てあの子は何を思うのかしら。

わたしはもう一度だけ、名前を呼ぶ。

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