宙域外の恋人
「わたしたちきっと異星人同士ね」
体の中に巣食う言葉が違うのだから
諦めきれない明日の光を
揺れる窓枠の隙間風
疎ましく見つめながら探している
いとおしいうっとおしい 思い出した
わたしあなたのそういうところが嫌いだった
間違えたのなら終わればよかった
諦めたのならほどけばよかった
「さよならしたらもう一度はないの。ふつう」
透き通ったガラス戸
慌てて閉める遮光カーテン
水の入っていない加湿器
「好きだったの。たぶん」
期間限定の愛、仮初、束の間
失った日の続きごっこ
「早くいなくなってね」
わたしがまだあなたを嫌いな内に
「早くさよならしようね」
あなたがまだわたしを許せる内に
明け渡せない心があった
切り拓けない木々の間を縫うように
たゆたうは飛翔線
あなたが健やかであればいい
わたしのあずかり知らぬところで
無責任な祈りも不可視の愛も
永遠に知らないままで
さようなら
宙域外の恋人
わたしはわたしを愛しているだけ
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