童子
秋の夜更けに童子が一人
庭に佇んでいる
柿の木のすぐ根本こちらを見ている
僕はどうしたものかと思ったのだが
なにせこの頃急に寒くなりだしたし
家に入るよう勧めコンロに火を付けた
童子は喋らなかったが
猫を見付けると
子供らしい笑顔を見せた
お茶と和菓子を用意したが
童子は見向きもしないで
猫をしっかりと抱いている
その頃さめざめと雨は鳴り出して
辺りは湿って生暖かくなる
相変わらず童子は無言のままで
雨はテンポよく鳴る
木々に当たり
ザザッとアクセントを打つ
猫は童子の膝上で
甘ったれた声を一つ上げ
トントンと足音を残して
童の膝から出て行った
猫の行き先を暫く見つめていた童子
もう帰らなきゃ と言う
雨はどうやら小雨に変わり
童子は何処かへ走って消えた
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