古時計

お遍路巡りに飽きもせず
二十四時間永劫回帰

もう幾度
生まれ来る死を見届けたのか

いつしか人の居らぬ家
ぼんぼんと空虚を鳴らす

投稿者

茨城県

コメント

  1. 行数(字数)の多い詩には、行数の長い理由がそれなりにあるでしょう。しかし、この詩は短い詩ですね。
    そのあえて短くして凝縮された味の果実のような詩だと思いました。そのあえて多くは書かないという選択により、かえってさまざまな世界が広がると思います。
    最終連が特に好きです。
    ちなみに昔、私の家に柱時計があり時間が丁度になるたびに(かんかんかんという音だったか)鳴っていました。

  2. ご丁寧にありがとうございました。私は短詩を好んでいます。長詩は書いているうちに自分の頭が混乱してくるので。。。時計の針がぐるっと一周するのをお遍路巡りや永劫回帰に喩えました。こうして何年も過ぎ去って、いつしか家の中には人間の姿がなくなり、その無人の家にぼんぼんと時計の音だけが鳴り響く…。「かんかんかん」という音もあるのですね。興味深いです。

  3. 一日一日が生まれて死んでいるイメージがよく伝わるなぁと思って読みました。
    聞く人も居なくなった家で刻を刻む柱時計がせつなくも愛おしい。

  4. あぶくもさん ありがとうございます。私ももう初老あたりをさ迷う年なので、こういったどこかで死を連想させる作品を書くと、自分でも少し感傷的になります。。。

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