Un deux trois

Un deux trois

大変だった記憶が
思考の関節に砂を詰める
そこを行くと危険だぞ
もう一人の俺が警告する
目がシャッターを切り
鼓動がモールス信号
・・・ ・ ・・ ・ーー
解読不能のSOS

Un deux trois

カウントが一つ進み
何かが剥がれていく
皮膚か?記憶か?名前か?
わからないまま
夜の内部に埋まっていく

お前の言語はシルクのように
いや 違う
濡れた電線みたいに
俺の鼓膜に絡みついて
意味が歪んでいく

夜が回復を遮断する
まばたきした映像は
どこへ送信している?

Un deux trois

音もなく
一晩で苔がむして
時間が呼吸をやめた
湿った緑の匂いの中で
小人たちのダンスが始まる
規則正しく狂ったまま
円を描きながら 
内側へ内側へ

足音も無く
ただ振動がある
床下で
血管で
脳の奥で

Un deux trois

カウントが合わない
数えているのは
俺か?お前か?
それともこの部屋そのものか?

心拍と同期しないリズムが
ズレた拍子で
Un deux trois
現実がノイズになる
輪郭がほどけ始める
俺は
ワルツを踊るつもりはない

目がもう一度
シャッターを切る
何も写らない
ただの黒と
ただの音と
ただの数

Un deux trois

来るはずのない回復
消されたまま
リカバリーの入口に
誰かが立っている

笑っている
お前の顔で

Un deux trois
Un deux trois
Un deux trois

そして
何もなかったみたいに
誰かが笑ってる
ブリキの人形に
朝が来る

投稿者

東京都

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