あふひ

夕闇に流れていった
葵の花の香りのように僕達の
関係もいつしか
消えてゆくんだろうか
コーヒーが熱いうちに
飲めなくなったのは
君と暮らしていたからだね

消えかけた国道の文字に
見えかけた未来を重ねて
愛情なんて薄っぺらい言葉を
吐くだけだった

才能という馬に乗った君は
時間という名の拍車をかけた
愛は今、終わった

すれ違っていった
名もなき人達のように僕達も
お互いを知らなくなって
いや、最初から知らなかったのかな
何かを見る時目を
細めるようになったのは
君を愛していたからじゃなかったね

腐りかけた吊り橋の上で
君が僕の手を掴んでいたね
愛情なんてそんなもんだよね
人間なんて

月の光に導かれた君は
ヒントというみちしるべを見つけて
愛は今、終わった

朝焼け迫る小川の土手で
葵の花の香を感じて
どこにいるのかな君は

投稿者

奈良県

コメント

  1. これは私の個人的な思いなのかもしれませんが、「愛は終わらない」と思っていました。
    しかし、この詩を読んで、「ああ、愛は今、終わった」んだ、と思いました。この詩には、それをそう思わせるエネルギーがあるのでしょう。
    でもだからこそ私は思いたい。「愛は終わらない」と。そう思わせてくれたこの詩とこの詩の作者に感謝します。ありがとうございます。
    そして もしかしたらですけど、どこにいるのかな君は、という最終行に、「終わった愛」から始まる何かの予感を感じます。あふひ!

  2. あ、そうですねぇ。永遠は苦しい。その通りですね。拝礼
    終りがあってよかった、とも言えますね。拝礼
    ^^ 拝礼 。

  3. @こしごえさん
    ありがとうございます!そうですね。愛は終わりません。出会い、別れ、出会い、別れの連続ですから、また別の愛がはじまります。そう考えると、「さよならだけが人生だ」は間違いですね。

    @Yatukaさん
    ありがとうございます!愛とか、人生とかは永遠に続きそうに思いますね。個別事例はすぐに終わってしまいますが、「愛」とか「人生」は私達が存在する限り永遠に続くと思われがちです。でも実際はそんな事ないんですね。儚い…

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