言霊屋敷

言霊屋敷

万太郎:あっ、約束の時間を軽く2時間超えて、胡桃ちゃんがやってきたぞう。おーい、胡桃ちゃん。一、十、百、千、万太郎! 一億二千万太郎! 待ってたよー!

胡桃:きゃー、万ちゃん。待たせたわね!

万太郎:おう、胡桃ちゃん。今日は、クリスマス。約束の遊園地に、古典を訪ねようという約束果たしにきたぜ!

胡桃:きゃー、格好いい!

万太郎:それじゃあ、これから花やしきならぬ、言霊屋敷に行ってみよう!

万太郎:えー、言霊屋敷。先ずはラップワンダーランドだ。

店員:こんちはあ。お客さん、ここは韻踏みを披露する場所だよお。
では、お題を一つ『ありがとう』
「ありがとう、オリゴ糖、白砂糖、角砂糖。センキュー研究人間の探求。
これでいいのだ、は反対の賛成。反体制はグレイトフル・デッドで、老いたるはGO TO HEAVEN」

万太郎:「ヘブンはセブンで、イレブンピーエム。エイト立ち上がり、やいと睨んで、キューンと撃ち抜く、見事なその銃。おそ松、とど松、銃の始末は、十四松」

店員:「発覚錯覚丸書く、四角い仁鶴。無情にも、ムショ。夜中に内緒でシーツにおねしょ」

万太郎:「子分親分大事な取り分。極道食堂ジャンコクトー。出所就職囚人終止符。歳月年月中秋名月。花火お団子さくらんぼ。肌身離さずいた女房。別れ間際に二人手を繋ぎ、長い年月振り返り傷む忍びは、コロナと棺桶、会えぬ別れる寂しい別れは、乱れ女の吐息に悩める純情ハートの俺であるが故」

店員:「流暢C調イチョウ秋風。風舞吹雪吹かれ、中年退職。五月雨、蝉時雨、超え桜坂。また会う出会いは永遠(とわ)の出会いと誓った夜空に星空舞い」

万太郎:「インドガンジス。マンダーラ、ガンダーラ。ナンターラカンターラ、珍紛漢紛。散らすデンプン。桃色季節に流るる桜川。時の流れに耐えたる岩石流され削られ、小石となりて。遂に、木や花、変わらぬ有様、一風景に。個体消滅風景点滅、支離滅裂幻想展開摩天楼」

店員:骨は硬くなった後、土に溶けて養分となり、ドロドロに溶けて、水となり、肉体滅びて天寿真っ当す!

万太郎:あーむざん!
と、こうなりますかな?

店員:お見事!

胡桃:きゃー万太郎さん、素敵!

万太郎:続いては、ハナモゲラ諸島。デタラメ日本語を披露する島だ。

店員:はがだろや~ てめにたとぶな~ もざもちぞ~ とわのてふやに さてど あらなん~

万太郎:ホォー、早速歌ですか? こらあ、また優雅な歌ですな。

店員:今の歌は、春の訪れを待つ想いを読んだ句。満開の桜を見て、ああ良いもんだなあ。そう言う想いを読んだ一作でございます。

万太郎:ホォー、では私も一作。
「やペかき けゆやほ もひいこたせり。もざもち ぞてめに たとぶなはがだ」
ってのは、どうだ?

店員;どうだと言われましても、その響き中々悪くはない。では、ドレミファソラシドの音階でハナモゲラを一つ。
「ぞよそ いつ あられ ふ ど~」
万太郎:ああー、なんかもう一つ括りというか縛りが欲しいねえ。じゃあ、小話を一つ。年明け、元旦の風景。

息子:おはよう、父さん。今日はせせわけのデラシネだね!

父:そう。今日はたらちねのまかへろ。おまけにしわたねまのさねぐらしだぞ。

息子:それはとっても、もひいもたせりだね!

父:うん、そう。さねぐらしのもてあたまは、こがねもちの、よう。
しりとかげのわきのしたは、そらはれたの、しょう。
まかへろそのかんつばきは、おざれろの、こう。
おれのびたのかぜふとしは、あれたべたの、きょう。
それくらい、元旦の朝はせせらぎなんだ。

万太郎:えー、続いては~ ハナモゲラ語実況中継のお時間です!

アナウンサー:ウリシラネがヨコに翳すと~、シラフジがたった~
カキシメリが縦に続きます。間にフジシラネ、マタアシタ……..
オーット、シマフラネ、ウリシラネのヘソノシタを、せせらぎのうち、カワシラモを孕んだ~
うりしらね。ヨーロッパ。うりしらねヨッパラッタ。たってとってちってつってつった~。
うりしらね、まかへろでさきのめりの後、フカシラギでございました。

万太郎:続いては、デタラメ中国語とデタラメ某朝鮮語のお部屋。

店員:キューツーミーシュウ クーパヤータ マージャン
ムーモウキーハ? ソーレイモーメイ マーダヤーダー?
メーサイマンシュー ソンガシートゥ レンアイモーカイ モーイーカイ?

万太郎:ケンユウセンリョ ラメチャンダラギッチョンチョン タスムニダ
マイハイユウシン ケツレン エンアイ スミダ

店員:サントンモーユウ センガンジョージュウ

万太郎:ガンマカンリョウリョーガンモンマンシムダ

店員:ゾートハンヨウ クーコウヨウキー セッカンメークー

万太郎:エンタンソーメイ イーシュライジャン バネバネハシムニカ

店員:カンシンスイコイ オシギレフ
レンアイガンボウミナジョウジュ

万太郎:メリークリスマス! 明けましておめでとうございます! なんのこっちゃい! 次、言ってみよ~!

万太郎:居酒屋きよし。ここは濁点を言っちゃいけないお店なんだ。
こんにちは~

店主:こんにちは! おきゃくさん! 今日はいい天気『て』すね~

胡桃:キャー!

万太郎:さんしんたろう(斬新だろう?)、くるみちゃん

胡桃:さんしんたわ! (斬新だわ!)

店主:今日は、なににしますか?

万太郎:ちくわふ(ちくわぶ)それから、こんにゃく、白滝、それにたまこ。味噌とカラシたくさん塗ってね!

万太郎:あー、楽しかった! 続いては『て』抜きバーだよ。

胡桃:楽しかったわあ。おでん美味しかった。手抜きって? 手を抜くの?

万太郎:いや、違う。『て』を抜いて会話をするんだ。会話の最中『て』を言ってしまったら、お手つきだよ。

胡桃:へぇ~、どんなかしらぁ。

店主:こんばんはあ。お客さんおひとり様『!』……すか?

万太郎:いや、モウ一人いる。こちらが胡桃さん『!』……いうんだ。俺のマブだよ。

胡桃:へぇ、面白い会話。『!』だけ、言わずに会話するのね?

店主:そう、『!』だけ言わずに会話する。だから『!』抜きバーだよ。

万太郎:焼酎いっぱい! それから焼き鳥も!

店主:よっしゃあ。焼酎いっぱい! それから焼き鳥ねえ!

胡桃:私、缶ビール。缶ビール下さあい。

万太郎:人生っ『!』……なんか抜くと楽しくなるんだよな。なんか抜くと…….オッホッホッホッホッ

万太郎:続いては、替え歌ミュージカルだぁ。さてさて、今夜はなにをやっているのかな?
んっ、なんと
『ロックミュージカル桃太郎伝説』はてさて、果たしてその内容は?

語り手:どんぶらこと、やってきたよ/どんぶらこと、やってきたよ
どこから? どこから? どこから? どこから?
 あかん! ゲットー あかん! ゲットー! 嗚呼ー、あかんゲットー!
息子はもういないし、ばあちゃん一人さびし/じいちゃん物足りまへんで
あかんゲットー! あかんゲットー!(ローリングストーンズ『サティスファクション』の替え歌)

おばあさん:あっ、じいちゃま! これ実は洗濯に出かけた途中のついでに/流れて拾ってきた時の桃なの~/人が入った~桃みたいよ♪/人が入る まるでサイズ

おじいさん:あっ、婆ちゃま、いくらなんでもそんなもん持って来ちゃいかね
こんなデカさうまさ期待しても上手くいかね 持って帰ってくれよ
人が入る桃みたいだ/人が入るサイズあるな♪
(The Beach Boys『英雄と悪漢』替え歌)

ばあちゃん:あんたがいくら! 疲れてたって! 私にあれこれ、つべこべ言って!
そんなことには構ってちゃいられないよ/私はただこの桃を、食べたいだけ
食べたいだけ/食べたいだけ/食べたいだけなのよ、うぉうぉうぉーん♪
(ルースターズ『恋をしようよ』替え歌)

おじいさん:(桃を切って)あらま?
♪ 切ったら人が、まるでヒットラー すくすく育ち 鬼退治に
犬猿雉と 行って財宝ザクザク♪
(The Beach Boys『Do It Again』替え歌)

エンディング:大きな桃が流れてきたよ♪ あけましておめで~………とう♪
真夏の出来事♪ 真夏の出来事♪ 真夏の出来事♪
(The Beach Boys『Sufer Girl』替え歌)

万太郎:嗚呼、楽しかったあ。胡桃ちゃん、どうだった?

胡桃:まぁ、万太郎さん! 女はイメージの生き物。
言葉の遊びでイメージが膨らんでとっても楽しいデートだったわ!
万太郎さん、見直したわ!

万太郎:ガビーん!

ナレーション:万太郎に、春が来た。

どうも、ありがとうございました!

投稿者

静岡県

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