鉄道控室
些細な行き違いがあり
鉄道控室を訪れた
鉄道控室は海みたいに白くて
何もない部屋
担当の山田さんは
図面やお役所の書類を示しながら
境界がこうなっていて、とか
所有している方がご高齢で、など
いろいろな説明をしてくれる
わたしも何かしてあげたくて
色紙で折った青い魚を差し上げた
この部屋では泳げないけれど
栞の代わりにしますね
と山田さんは読みかけの
わたくし小説に挟み
曖昧な所は法務に相談してみます
そのように言った
わたしは法務を
ホームだと勘違いして
鉄道だからかな
なんて思い
波に濡れた足を拭きながら
がたんがたん
潮風に向かって走る
鈍行列車の口真似をする
良い音ですね、と
微笑む山田さんが
鉄道控室から
まだ手を振っている
コメント
鉄道控室、水族館の水槽のような、静けさと安心感を感じます。
五月の空は海のように青いため、水平線と空の境も曖昧な、そんな鉄道を空想しました。