ぽんぽこ哀歌
たぬき たぬき どこへ行く
国道沿いの獣道
錆びたフェンスの横の道
草木のトンネル潜り抜け
お前は一体どこに行く
たぬき たぬき そら急げ
ちょこちょこ道路を渡っては
車のライトに飛び上がる
キョトンとした目で首傾げ
バタバタ足を走らせる
たぬき たぬき どこへいる?
襖の破れた空き家の居間に
茂る草木のそばにいる
人から奪った住処かそれか
奪い返した故郷なのか
たぬき たぬき どこで寝る
綿の飛び出た座布団の上
体丸めて 目を閉じている
寝ては起きてを繰り返すのは
布団が合わないせいなのか?
たぬき たぬき またたぬき
子を連れ、つがいと歩いてく
くるま くるま またくるま
そのそばを走り抜けていく
たぬき たぬき 雨も降る
人は傘さし、お前は濡れる
しとど しとど 降っていく
毛は濡れ惨めに歩いてく
たぬき たぬき 毛は汚れ
それでも瞳は無垢なまま
よろり よろり 歩いてく
子を連れ怯えて生きていく
たぬき たぬき もう休め
お前が眠れる草木など
お前が歩く野道はもう
どこにもありはしないから
たぬき その子も もう休め
自分の生きる未来さえ
奪う人の生きる世界
そんな世界にお前の未来が
どうしてどこにあるだろう
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