紫陽花の頃

 
 

待ち合わせて
 
公園の東屋
雨のなかに
咲く紫陽花
 
大時計は
雨の匂いに包まれて
 
にじんでいく青紫の花
 
待っていた筈のあなたの顔は
幾度もの季節に擦り切れて
待っていた約束は
千々の日常に塗り重ねられ
 
紫陽花の頃は過ぎて
夏は幾度もの盛りを繰り返し
うだる緑の木陰で
 
もう少し、待ってみようか
 
染みの浮いた手で
額の汗をぬぐい
くすんだ時計に
つぶやいた

投稿者

愛知県

コメント

  1. こんばんは。

    もう少し、待ってみようか

    ここがとても好きでした。
    失礼します。

  2. @wc. さん、コメントありがとうございます。
    歳をとってから、ふと待ち合わせの約束を思い出して、何の時だったか場面が思い出せず…でも、待ってみるのもいいのかなと思ってしまいました。

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