EVE

纏う匂いは、香水から煙草に変わった。
肺の中まで、貴方と同じになりたくて。

貴方の触れない私の身体。
薄い煙に包まれて、
愛撫のような泡沫を見た。

煙草に残るルージュ。
灰は色落ちたネイルの先に掠って、
そっと灰皿に落ちる。
触れた感触はない。

少し前に、拒絶を示したドアを開ける。
ノブに付着していた水分が手に移り
ぬるい気配を想起した。

煙草の香りに包まれて、
湿った雑踏を歩く。
呼吸。

肺に、雨と香水の混じったような、
アスファルトの匂いが染み込む。

それはあくまで慰撫の夢。
雨に沈む香り。
私には、喫煙室は広すぎる

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