ロマンサー

何かを思い出そうとしている
何を思い出そうとしているのだろう
無い思い出を生み出そうとしている
身体の中の海の波音に耳を澄まそう
何か足下に漂着しているかも知れない

若々しい季節が
また巡って来たよ

柿の若過ぎる実が肋屋のトタン屋根に落ち
青い音カツリン

長袖着ていた頃のことなんて
忘れています

女性と付き合った
事もないのに
無理にも思い出そうとする

空想上の
ガールフレンドの事など
憶えている気にもならない

どう言う見栄の張り方でしょうか
というか
愚かにさえ至らない程の嘘

わたくしと言うひとの
そう言う所が本当に嫌いだ

愚かさにも負けず
まだ振られた気分を味わった
つもりで泣いて
寒い日に変わって

長袖から
半袖に衣替えした
皮膚は覚えてた

そうだね
季節はひらひらと
翻り続ける魔の扉

若々しい季節は
ただただ無邪気に
また元の場所に
帰って来てしまいました

何かを思い出そうとしている
何を思い出そうとしているのだろう
無い思い出を生み出そうとしている
身体の中の海の波音に耳を澄まそう
何者かが漂着しているかも知れない
足下に

投稿者

愛知県

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