非線型方程式

射精の後よりも
静かな時間をわたしは知らない
先生の
心臓の音が聞こえるくらいなんだもの
シーツの上に
取り残されて
余白ばかりが広がる

先生、ひせんがたほうていしきってなあに
ひせんけい、
わたしの色々なところに触れた
その唇から
非線型方程式がこぼれ出して
止まらなくなった
よく読めなかったけど
きらきらしていて
きれいだった
最後の数字が一つシーツに落ちて 
先生はまた眠ってしまった
わたしは眠くなかったから
非線型方程式を手に取っては眺めたりしていた
胸のところでぎゅっと包んだら
持って帰りたくなった
先生が目を覚ますと
きれいさっぱりなシーツが元通りあるだけだったけれど
嬉しかった
先生、
ひせんがたほうていしきについて
よくわかっちゃった

投稿者

東京都

コメント

  1. 正直今回のお題は難しすぎるけど、それを逆手に取りましたねー。いやあ、目からウロコでした。構成も見事です。

  2. トノモト氏の感想にほんと同感。
    先生持ってきたかーと。
    静寂の中の鼓動ってやっぱり良いですね。
    そこから広がる世界に想いを馳せることができました。

  3. わかることは、わからないことと同じくらいに切ないのだな、と思いました。
    静かな余韻しか残らないのに、人が人を求めてしまうことも。

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