夢に楽土求めたり

夢に楽土求めたり
 

汗ばんだシャツは脱がない
向こう側では誰も老いない

確かに言葉だけなら無傷
だから私は少し嘘をつく

若かった頃のミラーには
知らない身体が立っていた

美しいものであればと思った
ほんとうの自分に会えると

けれど平成の街へ出れば
汗も匂いも拒まれ続けて

仮面は顔を隠すためではなく
(隠した顔を)家で自分に見せるために

肉体はいつも予定を裏切り続けて、
流浪の民だけの宴が繰り返されていた
 
 
 

*
BGM
流浪の民 合唱曲 シューマン作曲
作詞:石倉小三郎    

ぶなの森の葉隠れに

宴ほがい賑わしや

松明あかく照らしつつ

木の葉敷きてうついする
 

これぞ流浪の人の群れ

まなこ光り髪清ら

ニイルの水に浸されて

きらら煌ら輝けり


 
燃ゆる火を囲みつつ
強く猛きおのこ安らう

おみなたちて忙しく

酒を酌みて注し巡る



歌い騒ぐ其の中に

南の邦恋うるあり

なやみ祓うねぎごとを

語り告ぐるおうなあり



めぐし乙女舞いいでつ

松明明く照りわたる

管弦の響き賑わしく

連れ立ちて舞い遊ぶ



すでに歌い疲れてや

眠りを誘う夜の風


慣れし故郷を放たれて

夢に楽土求めたり

慣れし故郷を放たれて

夢に楽土求めたり

ひんがし空の白みては
夜の姿かき失せぬ
ねぐら離れて鳥鳴けば

何処行くか流浪の民
何処行くか流浪の民

何処行くか流浪の民
流浪の民

投稿者

東京都

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