遠き彼の地の春

遠き彼の地の春

弥生の新河岸川。

近づく春の足音を聴き

桜の冬芽が頭を擡げる。

遥か遠く

海を越えた彼の地でも

川の畔で

固い芽がほころんでゆく。

着弾の振動に

小枝を震わせながらも

必ず訪れる

祖国の春を信じて

再び美しく開花する姿を

ドニエプル川の水面に

映すだろう。

*ドニエプル川
ウクライナを流れ黒海に注ぐ川。

投稿者

埼玉県

コメント

  1. 身近な河川から遥か遠いドニエプル川と、彼の地に思いを馳せる対比にグッと来ました。
    ドニエプル川。
    ロシアからベラルーシ、ウクライナを通って黒海へ流れているんですね。
    そこにも感じるものがあります。

  2. あぶくもさん。コメントありがとうございます✨ドニエプル川という、一つの川からそれぞれの国が恵みを受けているのに…と思うと、複雑な気持ちになります。深く読んで頂き、感謝です✨

  3. 詩人の思慮深い姿が浮かびます。

  4. イチカワナツコさん。ありがとうございます✨私も新河岸川の青に映る木々の味わいが好きです。

  5. たちまこさん。ありがとうございます✨ウクライナの人々に思いを馳せました。

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