ねむいぞ

雨が降る日は祖母がよく寝るから好きだ
寝言も少ない
どしゃぶりはよくない
雨音のせいで彼女が十分に寝られないから
起きている彼女は寝る前の身にはこたえるのだ

彼女は寝ながら
しょっちゅう誰かに話しかける
それは私だったり、
娘だったり、
夫だったり、
兄弟姉妹だったり、
近所の人だったり、
気まぐれである
そして
ご丁寧に名前を呼んで思ったよりはきはき喋る

寝言には返事してはだめだから
私は彼女の隣で寝るのにドキドキする
うっかり返事をしても
それはただ彼女の目を覚ますだけかもしれないし
私と彼女が夢を共有するだけかもしれない
それでも寝ている彼女の言葉に
返事をするのは冒涜的で
いけないことだと思うのだ
でもせっかく呼ばれているのに返事をしないのも
なんだか昼間の彼女を無視しているような心地で
いい気持ちにはならないから
無視とはほとほと面倒なのだ

今も呼ばれている
私は寝ている彼女に寝たふりをする
彼女がしゃべり終えるまで布団にくるまってやりすごす
何も悪いことはしていないが
ただ耐え忍んでいる
明日は雨が降ればいいのに

投稿者

埼玉県

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。