線状降水帯の夜

 
水没し
町灯りを映した道路
 
止まる電車
諦めるバス
行き場を失った私
 
駅から駅へ
歩く人の波に
背中を押されて
歩き始める
 
家へ電話する若者
コンビニで休憩する人々
アラートが頻繁に鳴り響く
 
雨は時に激しく
時に止み
汗で濡れた上着が
体を冷やす
 
ゲリラ豪雨とは聞かなくなった
貸自転車サービスで疾走する学生
横目に一歩を刻み
 
コーンで封鎖された道路
警察官の手旗
連なる車のブレーキランプ
 
排水をふさぐ落ち葉を
掃除する人
床の水を掃き出す赤提灯
 
橋からのぞく川は
茶色に濁り流れを早め
 
立ち寄った駅
まだ復旧しない電車
避難指示を告げるアナウンス
 
ふらつく中年の
手にした缶ビールに納得し
自販機で買うスポーツドリンク
 
歩き続けて三時間
痛み始めた足の裏
家に着くまであと二時間
諦めようとした先に
 
ポツンと点る
タクシーの表示灯
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
==========
 
投稿するか迷いました。
被災された方にお見舞い申し上げます。

投稿者

愛知県

コメント

  1. 連日の大雨で至る所で災害が起こっています。私もこの詩を胸に、被災された方にお見舞い申し上げます
    私は千葉在住で先日の大雨で、直接的な被害はありませんでしたが、一時孤立状態になりました。お盆で他県から帰省していた兄一家は夜中に脱出し、国道のあちらこちらにとめられた車を避けながら帰っていきました。
    ものを書くには覚悟が必要だと思います。
    私は、書いてくれてありがとうございます、そう思いました。

  2. 私は大雨の地域ではなく、ニュースで場面、場面を知るのですが、この詩によって、その場にいた方々の時間の流れの中を垣間見た思いです。ありがとうございます。
    自然は人間に都合良くはいきませんし、温暖化は人間のせいですが、天高い秋の空が、全国に広がってほしいと改めて思いました。

  3. 少し前まで雨は嫌いではなかった。でも今は恐怖を感じる。毎週のように日本のどこかで何十年に一度だったり史上一番だのの水が塊となって降っている。しかしこんなこと言うとほんと不謹慎だけど世界中雨ならばいいのにと思ってしまう時がある。
    余計なことを書きました。現代のリアルでリアルな叙情詩です。最後にみつけた希望には乗れたのかな。

  4. @たけだたもつ さん、コメントありがとうございます。
    災害の中の孤立状態、恐ろしかったことと思います。この夜は歩くのをあきらめて避難所へ行くべきではないか、判断を誤っているのではないかと悩みながら歩いていました。
    おっしゃるとおりものを書く覚悟という点で、まだ悩んでいます。

  5. @野鳥倶楽部 さん、コメントありがとうございます。
    大雨もあり、地震もあり。コントロールできない自然の前に無力さを感じます。日本に限らず国外でも災害で苦しんでいるニュースを見聞きすると胸が痛みます。

  6. @王殺し さん、コメントありがとうございます。
    「雨」の降り方は色々あってその変化に詩情を掻き立てられたりします。確かに恐怖を感じる場面が増えている印象なのが何とも…優しい雨なら喜びにもなるのでしょうけれど。

  7. 私は千葉に住んでおります。
    先日の大雨の影響を多大に受けましたが、懸命に生きております。
    これからも頑張ろうと思いました、ありがとうございます。

  8. @アイズ さん、感想をいただけて、こちらも励みになりました。ありがとうございます。

  9. 「被災 」・・・

    今は「まだ生きている・・・」
    今の時代です
    だから「生きろう! 」・・・
    から大切にします!

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