山河の花
月光 山河の花に注ぐ
共に眠りたいと願う
笙歌満ちるこの夜
未明に眠りに就く人は稀
それでも
午前四時半に目覚め
眠らぬ海棠の花を見る
秋が忍び込むこの部屋で
毎夜、思いを巡らす
山河の花は近くにあると
詩を綴れば辿り着ける気がする
だが我が詩は未だ
山河の花の奥に届かない
その奥は桃花源の如く
安らぎ楽しむ地である
我はその地の者ではない
山河の花を愛しても
桃源の人のような
憂い無き境地に至れぬ
これが歳を重ねる所以だ
幼き日、水辺に佇み
山嶺の景色に憧れ
山嶺に登れば
また水辺の日々を偲ぶ
さらさらの流れは何処へ向かう
それは幼き頃の問いであった
流れを辿って探したこともある
答えは見つからなかった
流れの果てに山河の花は咲くのか
千年、人に愛され
人の血脈に根ざす花
人々の夢に痕を残し
枕辺の明月
夢裡の清浄
夜は花の香に満ち
我は部屋に独り佇む
遠方の山河の花を思う
彼女は手を招き
夜の遊びに誘う
山間の森へ
静かに香り薫る地へ
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