境界

わたしの指がかみそりだったらいいのに
ね

わたしの指がこんなに柔らかくなければ
もっと力を伝えられた

空気を裂き、越えられない反発を越え
あなたの指のやわらかさへ侵入して
ぷつりと、血を流すくらいの力を
伝えられた

私の指に奇跡が宿っていたらどうだろう
わたしの指があなたの指をすり抜けて
重なり合うのはどうだろう

それは嫌だ

わたしの指の先の一番はじが
起こりうることと起こりえないことの境界を切り裂いていくかみそりだったら
きっと泣いてしまうよ
今も泣いているのに

投稿者

東京都

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