
ロストシグナル
A
「もう、嫌になったんだ」
「駄目なままの私にも」
「この変わらない世界にも」
「息のつまるような日々にも」
そう泣きじゃくる君に
俺は何を言っただろうか
どうも思い出せなくて
奥歯で飴を砕いた
B
どんな日だったかな
ビー玉を探してまわった
どんな言葉を君に
伝えれば良かったかな
C
「行くな行っちまうなよ」さえも
伝えられないようなら
こんな喉など潰れちまえ
明日はまだ遥か
最後に伝えたかった
伝えられなかった
こんな歌など消えちまえ
過去を悔いるだけの
♬
A’
もう、覆せない過去と
没になった原稿が舞う
インクの切れた万年筆
錆のついたタイプライター
埃が積もるように
油が切れるように
蓋を開けられなかった
開けようともしなかった
C’
「明日もまた会えたら」さえも
伝えられないようなら
こんな舌など切れてしまえ
昨日はまだそこに
「君は真面目過ぎだ」
「気にすることもないから」
「そんなに落ち込むなって」
言えなかった俺は
♬♬
D
肺に溜まった
空気は抱えるほどに
口から零れ落ちた
言葉は届きやしなかった
♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬
C’
何でだよ 言えなかった
握り込んでしまったから
君はもういないけれど
言葉はまだここに
喉の奥から絞り出しても
伝えられやしないよな
こんな事を繰り返すだろう
明日はもう目の前
♬
Outro
ラ・ミート・フィニージス……
ミートス・スコンチル……
ミトス・フィニトス・エスト……
♬♬♬
…
…
…
……
………
……………
……
……
……
……
……
……
…………
……
さようなら。
それと、どうかお元気で。
コメント
下描き……
描き直しをするたび、「あれ、さっきのほうが良かった?」と思い、しかしもう戻れない事実に絶望する。輪郭がおかしくなってきて、少し前に描いた目や髪と合わなくなる。
ペン入れ……
「もう、このまま完成にしたい……でも、これでは天ぷらを揚げないまま客に出すような物だ……そもそもそれは天ぷらではない」と思いながら、Gペンが怖すぎてボールペンに逃げる。
消しゴムをかけると線が消え、あわてて描き足す。途端に絵が寂しくなる。
色塗り……
今度こそ絶望。「線画のまま出したい……。しかし、それでは揚がった天ぷらに塩を添えないようなものだ。いや、それは別に添えなくても大丈夫でしょ」と思いつつペンをとる。インクが切れてくる。もし彩色が雑だと思われたなら、それは僕の技術不足以前に、僕の画材の管理不足である。
全体を通して……
本当に、何回かAIに描かせようか悩んだ。しかし、それでは絵を載せる意味ないよな、と思い直し、ようやく完成させた。
こだわったのは瞳です。
キラッキラにしました。