マネキン
古びた服屋の空き店舗に
マネキンが転がっている
何十年と営まれてきた
商いや絆の空気とともに
いつかは僕も
こんなふうになるのだろう
あと何十年か先、この命が終わるとき
人生の軌跡も鮮やかな記憶もたち消えて
誰かが生きていた、という空気と
役目を終えた
マネキンのような残骸が残るのだ
それもいつかは朽ちて
何もなくなる
僕が篇んだ言葉だけが
電子の書庫に在りつづける
そんな未来を想像すると
どうしょうもなく、心が安らぐのだ
ひと欠片の光と闇を残して
跡形もなく消えたもの
それが僕になるのだから
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