洒涙雨

それは突然のこと。
どこか遠くから雷鳴が聞こえ
すぐに雨が降ってきた。

帰り道。雨昏の中。
僕は君の傘に入り
急ぎ足で駅までの道を歩いた。
その時君はふと言ったんだ。
”なぜだか悲しいね”と。

それは七夕の日のこと。
雨は霖霖と降り続き
翌朝まで止むことはなかった。

投稿者

大阪府

コメント

  1. 平易な言葉で表現されていて、情景が思い浮かぶ詩ですね。
    “なぜだか悲しいね”にも共感します。

  2. 悲しいのは、2人のその後が
    雨やもうもうとした雰囲気に表れていたか
    それとも、思春期の憂鬱なためか

    たまらない感覚に締め付けられて、懐かしくて柔らかくてなぜか悲しい気分になりました
    素敵です

  3. 七夕の日の2人の短い時間をそっと切り取っていて、「洒涙雨」のタイトルと「霖霖と」という表現も素敵ですね。

  4. ”なぜだか悲しいね”の言葉が効いて、この二人の関係についていろいろな想像が膨らみます。

  5. 最終連が特に好きです。
    何かが終わり、何かが始まりそう。

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