キミョウな二人(破壊と修復の輪廻)

キミが書いた手紙はそっと回収
外国の映画のようにそれに火をつけて焼くような勇気は僕には無い

誰も信じないよな
こんな事を話そうとしても

キミの語力には誰も勝てない
キミがキミの友人達に僕の始末を話せば皆が皆信じ皆が皆同情を贈るだろう

とにかくキミにはそういうカリスマ性がある

もう3ヵ月くらい

1つ屋根の下にて言葉を交わさず顔も合わさぬ
互いに忍者のように透明人間のように存在を消しあう

これを生涯のパアトナーとみなされるのか…

【例題に上げるコトの発端】

俺こんな事しかできないけど…
ってキミの好物を沢山作ってあげたけど

“俺こんな事しかできないけど…”

其の約3日後
「“こんな事”って何なの?全部できなきゃ駄目なの!」

えぇ、お叱りを受けました。僕の作ったビーフシチュウやイカリングフライの感想はいずこへ…

はたまた或る時

バスケの試合に夢中なキミは
僕をチラチラ見ながら念仏のように “副音声” 解説

あぁ始まったか…
僕は日課のスマホゲームのチーム戦

あぁ、22番ね
僕がテキトウに君の話を受け応える

そして迎える長い緘黙

【 面倒クサイ言い訳 】

ゴメンネ。キミが僕と楽しみたい事を僕は僕自身でどんどん減らしている

だけど

キミの長い長い説教とキミの納得するまでの一晩中かかる話し合いから
僕は逃げていることくらい僕自身がいちばんわかっている

キミが釈然としない言葉ではなくピンと来る言葉で理解されるまでの謝罪
もう今後このようなことは二度と来ないと言う誓いの言葉
今度あったらもう辞めますと言う終身愛奴宣言

僕が本当に理解したか、求めるキミに対し、

これこれこのようなことが発端で貴方様のご機嫌を損ねた事に対し
僕はこのように理解をし今後は貴方様に従い貴方様とともに生きる精一杯の努力を致します

とキミがOKを出すまで言い続けなければならない

謝っちゃえば楽なのに…と人は言うだろ
しかし内情は上記のような面倒くさい手続きが必要になる

【 犬も喰わなねど 】

時々、キミがいない部屋でヒントを捜す
何を食べ、何を観て、どう夜を送るの?

キミの弱いところ、全部好き
キミの怖いところ、一部嫌い

僕たちは

同じモノを食べ
キミが笑ったら一緒に笑い

キミが困っていたら
運転免許の実技試験並みにオーバーアクションで一緒に悩む

だけどキミは急に黙り込む

僕はキミじゃないよ
キミにピッタリなのはキミのコピー人間

突然来るキミの沈黙で
僕はご飯を食べられなくなる

普通であればこういう時

可愛い女子であれば
「ねぇ、どうしたの、おこ?」 なんて許しを乞えるんだろうけど
ゴメンネ、ナニ、ナンカボクワルイコトイッチャッタ?みたいにね

互いにメンタルに支障を抱えているのか、
医者に行けばなんかしらの現代疾患を命名されるのだろうか

とにかく、常識的なようで普通ではない
キミの普通はキミの常識であり
僕の普通も僕の常識であり

世間一般の普通な常識とは相当かけ離れているスタイル

キミの教えによれば

「自分を病気だと思えば自分に病気の暗示がかかるだけ
何も出来ないと思い込めば出来ることを生み出す力も無くなるだけ」

と。

どうしたものか。

愛は報いを求めてはならない
哀は救いを求めて歩み寄りなさい

そしてキミは急に現れ
「はい!」
僕の口に優しく、いちごみるくキャンディを撫でいれた

そして、また、徐々に会話が始まってゆく
僕たちの、とてもキミョウな生活

きっと貴方の身の回りにもいらっしゃるでしょう
その場は笑って凌いでおいて、実はめっさめさカチンと来ているアレですよ

怒りが後からジワジワ来て、それを解決しないと
白黒ハッキリしないとならない厄介かつ単純なタイプ

僕は見つけたよ
キミの本棚の三段目の仕切り板と
乱雑に整理された小説群の隙間に
僕にあてた別れの手紙を

僕はキミを離さない
僕はキミに話せない
キミはキミが一番大好き
キミは僕に?

「お昼、何食べたい?」

仲直りってこんなに難しいものですか?

投稿者

東京都

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