工場
流動する、イメージについて
多くは、否定的な感想を述べた
それらは、龍であり
それらは、雨だれであり
それらは、母であり
去来するわれわれの精神のリラダン
遠い夢、遠ざかる夢
モーターの重たく響く音
信頼されている建物が、流動する
ケラチンの組成である意識と言うもの
「カミナリ」のようなタンパク質
そうしたイメージによって
すべての存在は工場でつくられる
そのためにしばしば、わたしは見る
鞭打たれる人間(とよばれるもの)
されば見よ、オーナーは斬新なシステムを用意した
攪拌されるわれわれの思想(とよばれるもの)
月初めの身体検査によって機械化はすすむ
されば人間とは何か
多くの化学薬品が体内に注入される
それらは思想とも考えられているが
もちろんシステムはその姿を隠している
桜の花が咲き、春である
流動するイメージが工場の内部を変容させる
人間の脳内に存在しているのは
支配された機械である
それは電流で動き、それは電流で泣く
はなやかな春の盛りに機械たちは酒を注入され
なんだか気分がよくなり
そこで「祭壇に」捧げた
人間と言うもの
新しい精神の誕生を祝い、我々は泣く
雲間に見上げるのは
昇り行く龍である
多くの精神は工場でつくられる
愛と夢の工場で
たよりなく油を注がれているおまえ
あふれる油に酔いしれているおまえ
立ち止まり「機械のわたし」は何かを思う
それは刻まれた精神のはるかな古代である
叡智ある人々は神々の世界を想像した
多くの神が階層を成し
多くの美と幸福が満ち溢れている世界
それは桜の花のように春の空に舞う
廃棄されるおまえは
解体され、部品となり、愛となる
さればわれわれは工場の美しい機械である
油をそそがれたもの。
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