ウルトラリアリズム
その絵はひとりの女性を描いた絵である
背景はほぼ暗い闇であり
彼女の着ている衣装も灰色に近く
少し赤みを含んでいる
・・・アーナンダ・・・ゴーレム
・・・アーナンダ・・・ゴーレム
庭園を飛行する虫たちの羽音
兵隊たちがゆっくりと行進して行く
甲冑のこすれあう音
ときおり軍用馬のいななく声
絵画の中にはさまざまの人間があらわれては消える
運命がひきあわす彼と彼女
そして嵐の夜が、描かれた山脈を真新しい世界にする
・・・ゾードゲル・・ワダシゲム
・・・ゾードゲル・・ワダシゲム
近未来の落ちついた個人の邸宅である
ふらちなものは何もなく、寒い
人工的世界の照明は薄暮である
砂漠地帯に造られた、巨大な食用植物のドーム
そして失われた大陸からの技術を再現しようとする
悲しみの染み込んだレースの
上空へと推進力が
ひとの声を
からまるものもなく、フレーズをください
・・・モドモシルル・・タールカシル
・・・モドモシルル・・タールカシル
絵画の表面にウランの粉がふりかかる
愛ととともに、頬をよせて、油彩画のふれれば
天津神、空の時間はうすやみの
ヒドラの哄笑する歌舞伎するけたけたと
ふしどは、めりはりとする
天岩戸から素粒子となり、天上界へと飛翔する
通天するわれわれの
ひとみはすべて彼女の思考である
彼女は絵画の中から我々を想像しているのである
つまり彼女は神である
・・・ウドドガドド・・・ベベドベベン
・・・ウドドガドド・・・ベベドベベン
室内の壁にかけられた一枚の絵を
わたしは彼女が思考するひとつの想像の産物として
ここにその姿を見る
背景はほぼ暗い闇であり
彼女は眼をひらき
わたしを見ている
それを否定できるか。
コメント
スーパーからハイバーへそしてウルトラへとどんどんと高みに登っていくようなリアリズム。この先もあるのでしょうか? 楽しみです。
みっつまでは予定していたのですが、しぼりだすしかありませんね。