ふぶきと感覚
おおくの場合、ふぶきの中で死ぬ
車に乗っていたとしても、外は白いままである
肝心なことは、寒さである
たとえば友人がクリスマスに訪ねて来る
今年初めて用意した、ツリーの前で
ふぶきはやむことがないだろう
そしてワインの栓をぬき、もちろんボルドーの
やむことのない星座の動きについて
それは何万年も先におこる変化であるが
今夜の料理に関しても、おおくの影響をあたえている
肉料理を食べて、少し酔って来ると
偉大なる過去の詩人たちの、幸福について
はなさなければならない、ポエジーのままに
雪と氷雪のカナダの地から
オオハクチョウがこの地に来るからには
暗唱される冬の湖水の歌、丸太小屋の歌
それはおおげさに言うのではなく
そのとおりのまったくの静寂の世界
心臓の音が聞こえるだけの
感覚の世界
ワインをもう一本あけましょう
夜とオーロラの邂逅する世界
静まりかえったわたしたちの言葉の世界
大角鹿のその角に触れた時には、それは感じる
やわらかなみじかい毛におおわれて
宇宙のはじまりの言葉がつららとなる
いきている感情はふぶきの中にわすれている
炎をあげて燃えている
あなたの身体は炎をあげて燃えている
それはそのまますぐれた歌である
このひろがる大地の上に
ただ一点
炎をあげて燃えている
それはそのまま
わたしの感覚。
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