イザイ

天国も甕も
アリゾナのようには乾かない
無神論者のあたたかな朝食
庭のテーブルに朝日が射す
極限のパンに極限のバターをのせる
直立したこの男の喉の奥では
カササギもルリカケスも短く鳴く
情景は真白く形式は隆起する
この世界のぶら下げられる蜜の
直視する内容も瓦礫の下の方に
アブラハムの信仰のざらつき
もろもろの緒言、もろもろの予言
象はみずからの骨を見つめる
教育は器官を流れつづけ、そしてモロコのように青い
辱日の証明と消失と
ポカラの石積みの幾何的世界を
動物たる人間はヤクを殺し、ヤクの皮は広げられ
石はなめす、激した腕の生命の奥
それは茎一本で立つ
その立ち姿を祝すべきか
考慮する、絞殺する、立杭する
このながめはスタイッシュ、ふき上がる溶岩の高く
東方のゆがめられた弦のはじく音
楽酒は水流のはるか東砲へと
アイルくるしく、アイルすすめよ
コタンの沈黙する水苔の茶色くくすみ
パパイヤの堅くても切られ続けるカットの
女神は足早に水際より去る
そのシルエットの半分は水である
奥多摩のジェット噴射は、博士たちの頭上にて
木々は海面の上昇気流から
もろてをあげて楽酒する
きっちりと脱酷する
猛者のラクサルがアルケサス秩序の丘よりのぞめば
ビーターのしからしむるところ
発展する諸々の都市のししむらが
緑草はむ勝気な娘たちが
暗黒空間を飛ぶゆゆしき心霊たちとともに
わたしはこの真空に墓石を立てる
確実な失策を確実な運命とする為に
オニユリが咲きはじめたウル
はっきりと発言するときハナビラが発芽する
わたしは肉体
わたしはイザイ。

投稿者

岡山県

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