伝えるために
闇を
闇を深く深く見つめると
小さな声が聞こえてくる
闇に解けた私の耳に
小さな声がしている。
闇の奥には
誰にも知られることのない
闇に透けた闇がある
ことーん ことーんてんとん
ああ また一つ終わり続ける命
いつの間にか
夜空には星々が灯っている
雲が晴れたのだ
小さな声は闇へと帰っていった。
思い出で出来ている
私の今は、
夜が明けて
間もなく聞こえてきた
蜩の歌の愛の響きに しんとする。
そよそよと
空き地の草はゆれているし、
空気という
見えないけれど在るものがあるし、
空色に青やかになるこころもあるし。
ふしぎだね
今私は何故かここにいる いいえ
ここにいるのです私。
忘れていたあの日を思い出して、
終わり続ける命が
終わり続けることにさようならと言い
終わり続けることを終えた命は
再び歩き始める
ありがとうを伝えるために
あなたの魂へ
伝えるために
コメント
何故かふと、内藤礼のインスタレーションを思い起こさせられました。
@たかぼ
たかぼさん コメントありがとうございます。
内藤礼さんを検索して、少しですが内藤さんの作品を見ました。おもしろいアート作品ですね。その内藤さんの作品をたかぼさんが私の書いた作品から思い起こしてくれて とても光栄に思います。ありがとうさま。
うむ。詩というものは、世界のあらゆる所に存在していると思うので、たかぼさんがそのように感じてくれたことも不思議ではないのかもしれませんね。たかぼさんが そのようにこの詩を自由に読んでくれて嬉しくありがたいです。
小さな死を積み重ねて大きな死を迎えることを壮大なスペクタクルで収斂して行く詩の力に感服します。
@あぶくも
あぶくもさん コメントありがとうございます。
ああ、あぶくもさんが この詩からそのような事を感じたりしてくれて、そのように言ってくれて とても光栄に思います。ありがとうさま。
うん、一つの死というものは、一度死んだら終わり続けるのだと思いますが、この詩の場合は、その終わり続けることを終えるというね。まあ、ほんとうのところは分かりません。でも、そう思いたいのです。ふふ、でもある種ある場合では、永遠て好きじゃないのですが。
ただし、永遠にありがとうという気持ちはあって、お世話になったりなっている存在には永遠にありがとうさまと思っています。
今、次の新作で、終わることについて少し書いています。今推敲中。うん。ふふ。