マルガリーテ
いろとりどりのくしゃみをして
白鳥は飛び立つだろう
去年の氷を忘れたように
モダーンな宇宙船
を蓮の池に浮かべているから
どこまでもシルバーである
形もゴールドである
表面は物理的変数を示す
クリティカルな人工頭脳が語るのは
隠れ行く初期銀河団
チボーテの箔、うすくのばされたわたしの郷里
さみしく語る、うすらぎゆく教理
たまさかにホールへと飲み込まれて行く
正面から見た図面のように
パクリ、バクリ、ボクリ、
極東の氷の島
寸刻みのロボットたちが祭りを開始する
マルガリーテ、もっと声に出して
粉砕されてメダカのように
もっとかかとをあげて
粉飾されていく景色ははすかいに
タラリと汗がながれおちるかしら
松の木の枝は風に鳴る
東の海のまつろわぬ国
ひらりと白鷺がはねて
子牛の背中に原子が発電する
ホットなかげろうが、わじわじとくねるように
地面をこじあけて上昇する
それからわたしの耳の中のラジウム
こころのなかのウラニウム
核のやさしい言葉で
本日の開店日をむかえます
マルガリーテのパン屋です。
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