やよい

 
きみは木立の中に
透明な花を
隠している
 
なみだは霧のようで
ぼくから熱を
奪わない
 
いくたびも逢いたい
ぼくは変わってゆくけれど
 
やわらかな予感に包まれた
きみが変わることはない
 

投稿者

愛知県

コメント

  1. たかぼ様へ
     こんにちは。読ませていただきました。
     「やよい」というタイトルに心惹かれました。

      いくたびも逢いたい
      ぼくは変わってゆくけれど

      やわらかな予感に包まれた きみ

     とても やさしい呼びかけに、聞こえます。

  2. 3月になって、年々歳を重ねていく自分と、毎年春に芽吹く生命の対比を、「やよい」と言う女性になぞらえて優しく見守る風情が良いなぁ。

  3. @リリー
    さん。やさしいお言葉ありがとうございます。

  4. @あぶくも
    さん。しっかり読み取って頂きありがとうございます。

  5. 短めの詩ですが、春を絶妙に表していてすてきです。
    この詩から切なさや愛のようなものなどを感じます。

  6. @こしごえ
    さん。ありがとうございます。自分としては1連目が気に入っており、2連目はうまい表現が見つからず、今回投稿するために何度か書きなおしましたが、やはり最初に作ったこの形に落ち着きました。

  7. 変わらないきみが、ぼく、のちいさな寂しさなのかな、…とも解釈してみました。
    私事ですが、四つ年上の従姉の名前が、弥生ちゃんです(…もう、ちゃんではないですが)。お作品を読み、従姉のことをふと思い出しました。

  8. @長谷川 忍
    さん。風情のある解釈をありがとうございます。そういう人は案外多いのかもしれませんが、3月から4月にかけての季節は、私にとっても(結果的には良いことになるとしても)良くも悪くもエポックメイキングな、激動の季節であることが多かったのです。そんなふうに揺れ動く私の心に対して、春を内に秘めながら毎年静かに強くやってくる弥生という季節に対して、畏怖の念を持っている私なのです。

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