前を行くひと
国道沿いの歩道脇に並び立つ人の列
そこへ先頭までを
ランドセルが駆けてくる
長い赤信号が青に変わると
進み始めた大人の列に
まるでフローリングの床に音立てて
散らばり転がるビー玉みたいな子らの声
会社の敷地囲った生垣に伝う長い列
「社員証をお見せください。」
守衛室からテープで流れる女性の声に
帯状になった人が吸い込まれていく正門前
ここで別れる子ども達の姿を僕の目は
いつもチラリと見送って
門を通ると
左肩すぐ横に長身なトレンチコートの男が並び
右脇からは
薄地なダウンコートにマフラーをバック巻きする男も
僕を追い抜いて行く
かといって歩調を はやめようとは思わない
地面を踏む足許は
新しいソックスを履いてきたことの
細やかなる満足
そんなボクの背中が
知らないだれかの前を行く
コメント
そんなボクの背中が
知らないだれかの前を行く
ここで詩の飛躍があってタイトルの 前を行くひと が生きてきますね。すてき。
@こしごえ様へ
こしごえ様に、作品を読み取っていただけました事が今、たいへん嬉しいです!( ´ ▽ ` )
どうもありがとうございました。
後ろ姿というものは、いつも誰かに見られている。わたしはそう思って
生きております。疎外感を感じてしまう時でも、他人と比べることはない。
自信の無い自分であっても、ありのまま…細やかな幸せに満足を感じて、
胸を張って生きていきたい。そんな想いも込めて書いてみました。
コメントをくださって本当に、どうもありがとうございました。