楊貴妃桜
泉涌寺の 楊貴妃観音のお堂の前に春の日が暮れて
ほのぼのと 薄く紅開きそめて ささやく枝の下
に かすかな響き伝え息づいている空気が在る
遠い春雷の音ない震えか 楊貴妃桜の散りて
散りゆく今、私の胸の奥深くに鳴っている
何か その何かが、やがて噴き出そうと
する熱いどよめきは 明日への希いか
無我夢中のうちに自分の姿を見失う
幻かもしれないのに 蒼いのか?
赤いのか 色すらも分からなく
なって唯 泣いてしまうかも
しれないのに それでも、
いいのだと そう思う私
の呟きを 反響させて
紅揺れうごく光源に
楊貴妃観音像の姿
浮かびあがりて
私には見えた
しっとりと
した微笑
投げる
お顔
で
コメント
美しいです。形も言葉も。
@たかぼ
様へ
どうもありがとうございます!(笑)お読みくださって、ご感想のお言葉とても
嬉しいです。言葉並びに凝った詩を、以前から一度書いてみたいなぁと思って
おりました。初めての作品です。