コバルトブルーの涙

音韻を小瓶に入れて思い切り放り投げた
海岸線を歩けばカモメが嘘をつく
子供達は砂の城を崩している

それを横目で見ながら
私はするりと通り過ぎる
亡骸を置いてけぼりにして

砂の粒はいつも手紙を落とす
その事が私の胸を締め付ける

コバルトブルー
ブルーの意味は何?
逆さまの空
暗転
そして沈黙

壊れた石ころ
擦れる貝殻の音
点滅する灯台の明かり
海辺に浮遊する昼と夜

歩いても辿り着かない
パラレルワールドの中で

音韻を小瓶に入れて思い切り放り投げた
花びらをそっと添えて

投稿者

千葉県

コメント

  1. 飛躍する海岸線から、精神はコバルトブルーの、聴診器をかけている、その風の音、そのシガレット、美しいものがブルーを外装する。

  2. @坂本達雄
    返詩ですよね。ありがとうございます。美しさをただ描きたくて、書きました。嬉しいです。

  3. 飛躍する言葉の美しさと言うものが、詩には必要だと思います。そうした感覚を愛するのは、海辺を愛する感覚に似ているのかも知れない。つぎの作品を早く読みたい気分です。そしてブルーの貝殻を集めるヒルガオのパラソル。

コメントするためには、 ログイン してください。