メドゥーサの瞳
ビルの谷間に皐月風
それは歩道の正面から運ばれてきた
若い男の声だった
パパなお前のキモチ分かる。分かってるから今日ユラちゃんに謝ろうな。
ギョロリとした目に たらこ唇
ガッチリした肩幅の右腕が坊やの手を、しっかり握っていた
すれ違う 親子の向かう先はマンションの側にある
小さな保育園
父が左脇にお昼寝用の肌布団を丸めて抱え、他にも嵩張る布袋さげている
坊やは肩からバッグを斜め掛けして口元尖らせ
道端に植わるツツジの花へ 目を落とす
父の目は歩く前方へ向けられていた
まさに蛇の絡み合う様な頭髪をした 父の言葉に
坊やの 硬くなった血管の中には今日
何かが流れはじめるだろう
四角い小箱に
押しこめていた心を開いて
きっと 坊やの気付くキモチは軽く
気流にのって放たれるだろう
陽もある
風もある
と、そのことを伝えようとする父の瞳は宝石だった
コメント
コメント失礼いたします。蛇の絡み合う様な頭髪の若い父親が、息子に向ける眼差し、きっと大切な我が子に、生きることを伝える温かい眼差しだったのだろうなと、想像いたしました。メデューサとのギャップがいいですね^_^ 風が全体を通して流れていて、最後ふわっと暖かく舞い上がる感じがしました。
@ayami
様へ
お読みいただき、ご感想のコメントをお寄せくださいまして
どうもありがとうございます!嬉しいです。♪( ´▽`)
道で、親子とすれ違いざまに詩が浮かびました。タイトルも
これしか無い!と、思いまして。鞄の内ポケットのメモ帳を
取り出し、道端で走り書いた作品です。出勤してからお昼休憩
時間で原稿にまとめました。まちには、こういった感動が
ゴロゴロしています。(*^^*)
まだまだ未熟な作品ですが、ご感想のお言葉がとても
有り難くて励みになります!本当にありがとうございます。♪
ayami 様、コメントくださいます時、気楽にお言葉をかけて
いただければ嬉しいです。私は、まだ詩人会の新米なので
緊張してしまい、コメントの言葉がカタクなってしまうのです。
これからもよろしくお願い致します。(^^;;♪