あいかぎ
うららかなまどろみの時の中で聞こえる静かにドアの開く音
差し込むまぶしい朝の光の中に浮かび上がる君のシルエット
君は合鍵で僕の扉を開くのさ
時は時にはゆるやかに流れ一瞬が永遠に永遠が一瞬になって
君と僕の時はゆるやかに熟成され豊かに香るワインとなって
君は合鍵で僕の扉を開くのさ
何度も別れを繰り返さなければ
お互いの気持ち確かめられず
つらくさびしい夜が来るたびに
思い出ばかり追いかけていた
ほのかな春の香り流れ込み君のシルエットが風に揺れて光る
確かに君はやさしく微笑みそして僕も微笑み君を抱きしめる
そうさ君は合鍵で僕の扉を開くのさ
コメント
こんにちは。拝読させていただきまして、短いコメントを失礼致します。
美しい!…大人な、詩だと…思いました。
私は第三連目がとくに好きです。
読後に、自分のちょっと自信のない手持ちの作品「扉の傷」や「澱み」
などを思い出しまして。稚くて美しくもないけれど、いつか投稿してみたい
なぁ…などと感じました。
作品から逸れた感想になってしまって申し訳ございません!m(_ _)m
@リリー
さん。いつもあたたかい感想ありがとうございます。りりーさんのそれらの詩も読んでみたいと思いました。
想いの、懐の部分が伝わってきました。…でも、あなたへの想いは、大切ですね。
@長谷川 忍
さん。いつもありがとうございます。ある記憶の1ページを詩に変えて残すことができるのは幸いなことです。
コメント失礼いたします。
とけあってゆくような、そんな感覚に浸っています。
@ぺけねこ
さん。そのように感じて頂けたなら幸甚です。ありがとうございました。
自分の経験では家の合鍵を彼女に渡したことは多分なかったと思うけど、恋愛って心の合鍵を分かち合っているようなものだったんだよなと、この詩を読んで青い感傷にキュンとすることができました。それに家族を持つってこともまた当たり前のように合鍵なんだよなぁ。
@あぶくも
さん。いつもありがとうございます。あぶくもさんの「青い感傷」ありがとうございました。家族を持つってことも合鍵をもつようなものだとのご指摘、なるほどと思いました。
うららかなまどろみ、君のシルエット、豊に香るワインなど、ゆるやかで芳醇な気配の中に「合鍵」という硬質な響きのコントラストがはまってますね…。浅学にて申し訳ないですが、詩にはやはりいろんな可能性があるんだなと改めて感動します。
@kishiaki
さん、コメントありがとうございました。やわらかな響きと硬質な響きの言葉の対比を指摘してくださり、作者としても参考になりました。