空と海

    僕達は生きている
  僕達は知らなかった
あの時の海の青
あの時の海の風

僕達は夢を見よう
僕達は明日を見よう
あの時の空の青
あの時の空の風

洗濯機の音がする
炊飯器の音がする
食卓に座っている
朝の匂いがいいよ

僕達は何かを求め
時間を重ねている
時間は重いのか?
時間は軽いのか?

あの時一瞬で変わった
地面が揺れて
家が壊れて
海が襲ってきた

町が流れ、人も流れる
すべて流れた。

悲しみ、憎しみ、淋しさ
それを噛みしめて生きる
三月なのに雪が舞っていた
寒いよ。冷いよ。

毛布にくるまっている
お婆ちゃんと子供
守ってくれる人達
流れて消えた

涙が流れ切った
流れ切ったら
空っぽになった
空っぽなら…

もう一度やり直して
ここから始めよう
僕達は生きているから
過ちを抱えて

前のようになれないかも
しれないけれど
生きればそれでいい
流れ去れた命と共に。

投稿者

山口県

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