初夏はアレグロにて
肌にぺたりと蟠る湿度
私は過ぎ去る春を
振り向かなかった
雨降りの休日
ベランダでひねもす
今日は晴れないのだろうか?
初夏への思いを馳せ
ただひとりうたう
空よ…
麗しい夏が来るというのに
どうして悲しい顔をする?
霧雨のしっとりとした空気が
Eau de parfumのように
私を翻弄させる
君は美しかった
君にさよならを告げて
君を求めるように思い出す
思い出した時には
残り香がさすらう
木々が揚々と
青く萌え始めた
夏の訪れ…
薫風と煌めく新緑は
私を純粋な少女にさせる
コメント
木々はようやく、それを感じている、そうした感覚は、ほそいえだ、本当にほそい葉の、はじまり、空にみせようとして、空はさそうようにして、はじまりは、夏という、ついみのがせば、それは、そら、夏という。