風呂
色素と共に
流れ出してゆく
私の成分が
色素と共に
失ってゆく
私の成分を
補うことはできず
排水口に
吸い込まれていく様を
だんまって見ている
やがて
私の密度は
小さくなってゆく
基本的には
音もたてずに
崩壊して
同素体にとってかわられているが
忘れた頃に
バランスを崩して
小さな
小さな
音をたてるたびに
はっとして
あたりを見回す
色素と共に
流れ出してゆく
私の成分が
色素と共に
失ってゆく
私の成分を
補うことはできず
排水口に
吸い込まれていく様を
だんまって見ている
やがて
私の密度は
小さくなってゆく
基本的には
音もたてずに
崩壊して
同素体にとってかわられているが
忘れた頃に
バランスを崩して
小さな
小さな
音をたてるたびに
はっとして
あたりを見回す
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コメント
詩を読んで、タイトルを見直してみてはっと合点しました。
「風呂は命の洗濯よ」ってミサトさんが言ってましたが、色褪せたり縮んだりはするのよ。
風呂につかるのも命がけだな。というか、何をやるにも命がけなのだけれども。
垢と疲れだけが排水溝に流れて、新陳代謝で蘇れればよいなぁ。
朗読で聞いてみたい言葉で、動的平衡しながら、浴槽で実存する
スタイリッシュだなぁと思いました。