こんな町

駅のトイレの横にある
善意の傘立て
雨の日は傘が入っていないけど
晴れの日は傘がいっぱい入ってる

木で作られた傘立てには
青いペンキで達筆で縦書きで
「善意の傘」と書いてある

昨日初めて善意の傘を借りました
駅から家まで徒歩12分
ほんとに助かりました

今日乾いた傘を傘立てに返した
ありがとう
傘を貸してくれてありがとう
傘を置いてくれてありがとう
毎朝青い文字で
わたしを元気にしてくれてありがとう
装飾も下心も取引もない
善意の傘立てがある駅の町で
暮らしているしあわせ

投稿者

兵庫県

コメント

  1. こんにちは。再読させていただきましてコメントを失礼致します。
     作品の具体的な描写、その自然な表現がタイトルにも響いてきて、
    素直でやさしい思いの伝わってくる詩だなぁ…と感じました。(^ ^)
     私も、町(街)を見て創作する事が多いので、好感を持ちました。
     この詩から、ふっと私の町の某駅の傘立てを、思い出しました。
    「どうぞお使いください。」と、黒い筆書きの貼り紙があって。
    そこに、端の破れて折れたビニール傘が一本突っ込んでありました。
    目にして、悲しく…なりましたね。

  2. @リリー様
    コメントありがとうございます。
    とってもうれしいです。
    田舎だからか、雨の日はなくなっている傘が、晴れたらいっぱいになっている、まさに善意の傘立てなんです。

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