失風講
アパートの壁には小さな孔あって
燐室の猿が毎日こちらを覗き夜で
知ってか死らずか風は降り病めず
脳をびゅるびゅると描き回すんや
安全鋏で切り刻む創造に苛まれて
いつかヤッテしまえ思うたばかり
まさか現実に鳴って逃げ堕すとは
隠れ覆した者の破れた空は廃色に
あれから凪続く理由は決まっとら
アイツ息咳とめた所為なんやろな
せや誰も必要とせんよって世界が
飢になる事なくして臓を殺がすん
突如に出現れるのは全部亡霊じゃ
偲び寄る季節を見過ごす冒涜じゃ
ほれ歪んだ線の咲き唖の姿ご覧よ
恐怖は素手に我が既に張り付いと
[TONOMOTOSHO Rebirth Project No.085: Title by 央子]
コメント
これは文字を追うだけで面白い。その匂いもとても個人的に好み。
ショウ君の作品だとは名前見るまで思わ難だ。いや骨太ところはショウ君か。
しびれた。
支離滅裂と思いきや、緻密な漢詩訳のような、日本語の臨界点と、意味と解釈の間でのたうちまわる感じ。