カレーライス
カレーライス
母はカレーを作らなかった
なぜだかわからなかったがそのことを口には出せない雰囲気を持った人だった。
母の口ぐせは
あんたのことは娘とは思えないだった
その言葉を聞くとなんだかもう
胸の中がしんと冷えて何も言えなくなってしまう
庭にあったしんじゅの木は秋になると大きな葉をばさりばさりと惜しげもなく落とし冬になると真っ裸になった。
独特の匂いを持つしんじゅの木はまるで心をかなぐり捨てて日々をおくる私自身のようだった。
私は今カレーを作る。
心を込めて自分のために家族のために
我が家流のカレーライスを
コメント
私は今カレーを作るからが、なんか残念な感じがしましたが、なんか凄く引っ掛かりました。すみません。
私は今カレーを作るからが、なんか残念な感じがしましたが、なんか凄く引っ掛かりました。すみません。復讐カレー?
かみる さん コメントありがとうございます。
嬉しいですね。
なんでしょうね。
確かに強引に結に持っていって、それまでを置き去りにしてる感じがしますね。
いつも、かみるさんの詩、拝読してます。
失礼します。
母娘間の何とも言えない逃れようのない呪縛のようなものをカレーライスにのせてうまく表現されているなぁと思いました。
「私は今カレーを作る。」というところ、素敵ですよ。
あぶくも 様
少しネタバラシを
うちの母が作ったカレーで、母が今は亡き祖母から常々言われていたと、まあ郷里に帰った時の話をまたしてしまった感じです。
それで、あぶくも さんから寄せられたコメント見て 少し、いやだいぶ感傷的になりました。
ありがとうございます。ほんとに。
おはようございます。この詩を読んだときに違和感がありました。そのあたりが何となく整ったのでやっとコメントすることができます。たぶん、私がこの詩で感情移入しているのは、語り手ではなく、あんたのことは娘とは思えない、と言った母親の方なのだと思います。もう少し紐解くと違和感はこの詩にではなく、まさに今自分がいる、そのものなのだと。もちろん、私はそのようなことは家族には言いません、けれど今自分がいることの違和感、そして私が持っている思いやり、優しさ、慈しみ、愛、すべてが学習によって会得したものだと。なんか厨二病だな、朝から失礼しました。
@たけだたもつ
様、さん
すっごく、素敵なコメントいただきました。
そして随分と考え想像させられました。
恐らくこの想像は届かないのだけれど。
母性と父性は生まれながらに備わるものではなく育てながら学習していくものだそうですね。
作中の 母は
うちのおかん曰く
どこかで学び間違ったのでしょう。
と、返信コメントを考えながら
それは間違いだったのかと
立ち止まり
我が家のカレーの味が
思い出されるばかりです。
性善説は苦手で。
性悪説もどうでしょうか
コメント、ありがとうございました。
大事にします。