青桐
アオギリの葉を鳴らして
秋がゆく
時雨ている空にさえ
時折 輝いている空しい灰色の雲
風、強かったショーウインドウの前に
私を待っていた人
月並みな愛の言葉
優しげに抱いて来る腕
ちょっと洒落た服が好きな彼とは
抱擁一つで 別れた
その後 確信した
肉など
どうでも良かったのに と、
未練を捨てている人の
すがすがしい顔が見たい
甘さや切なさを振り切って
心に何もひっかからず
そして
生きてゆきたいと願えば
まるで色づくアオギリの葉、
荒々しい風の愛撫に舞い散る時
翻る 表と裏なのか
暖かい思いやりと冷徹な美しさがあるのだろう
コメント
「抱擁一つで 別れた」
「肉など
どうでも良かったのに」
「暖かい思いやりと冷徹な美しさ」
この二面性に何とも言えないゾクゾクを感じます。
@あぶくも
様へ
お読みいただきましてコメントを、お寄せくださりどうもありがとうございます!(*^^*)
あぶくも様に、「ゾクゾク」感を味わっていただけた事、たいへん嬉しく思います。
アオギリの花言葉「秘めた意志」「秘めた恋」に、ちなんでミステリアスな雰囲気を
どこか醸し出せればいいかなぁ…と、ニヒルな感じも強く意識して、書き上げました。