(夜)

(夜)

冷えた水面に枯葉が落ち
諦めが輪となって拡がっていく
栗鼠は木の実を貯蔵し
野菊は種子を散らす

 さようなら
 ツユクサ
 また、来年

 さようなら
 ヒメジョオン
 また、来年

 アカツメクサも
 ミゾソバも
 ゲンノショウコも
 ママコノシリヌグイだって
 さようなら
 また来年、会いましょう

目覚めを疑うことなく
幼子のように眠りにつく夜

投稿者

北海道

コメント

  1. これらの青や紫の花の可愛い野草たちはすべて薬草でもありますね。こう言った身近な自然に季節の巡りを感じる心が素敵だなぁと思いました。

  2. さようなら
    また来年、会いましょう
    別れをきちんと言えて(思えて)、また来年、会いましょう と言えるそのこころがすばらしいです。
    雪国の厳しい冬を越える為の希望の詩だと感じました。(うちは豪雪地帯に住んでるので、少しはその厳しさが分かる ような気がします。)すてきです。

    目覚めを疑うことなく
    幼子のように眠りにつく夜
    最終連、ここで安心感がにじみ出ている。気持ちがほんわかします。

  3.  こんにちは。コメントを失礼致します。(^^)
     関西では、10月入っても日中まだ夏を引きずって、やがて秋の風情が
    駆け足で過ぎ去って行く様です。
     北野つづみ様の詩を拝読いたしますと、ああ、こんな!優しい気持ち…
    日常に忘れてしまい。職場でカリカリしたり家事を面倒くさがってイラ
    イラしたりする愚かしい自分が、詩作しているなんて恥ずかしいですぅ。
    m(_ _)m…。
     生活の基盤から、もっとおおらかになれるように努めたいなぁ…と
    感じ入りました。
     私は街中にいても、野の草花を見て歩くのが好きです。幼い頃、祖母や
    近所の奥さんに手を引かれて遊んでもらった思い出が、よみがえります。(*^^*)

  4. @あぶくも
    あぶくもさん、コメントありがとうございます。現の証拠は知っていましたが、他も薬草なのですね。植物と人との長きにわたる付き合いが、これからも続くといいなと改めて思いました。

  5. @こしごえ
    こしごえさん、言えなかった別れの言葉があったのでしょうか。冬が厳しい分だけ、春のことをいち早く想うのが雪国に住むものの性かもしれません。コメント、ありがとうございました。

  6. @リリー
    リリーさん、コメントありがとうございます。北海道も今年はとても夏が長いです。今回の詩は、今読むにはかなりフライングぎみの内容になっています。街中の野の花も、逞しくて好きです。リリーさんなら野の花のこと、どのような詩にするのか楽しみです。

コメントするためには、 ログイン してください。