海の泡
海の泡になって朦朧と夜を渡りたい
明け方を待っていたあの頃のようにうたた寝をしながら
海岸に打ち寄せられた残留物は思念波を発している
思い出を手繰り寄せてはみるものの
何もかも元には戻らなくて
さようならという言葉だけが水面に浮かんでいる
魚の死骸が骨となっても意識を伝えてくる
海月は毒と電気を抱えて月夜に抱かれている
夜風に吹かれて人魚の群れが海岸線の向こうの方で泳いでいる
真珠の粒を吐くアコヤガイが殺さないでと泣いている
こんな夜こんな時間に
私は海の泡になりたい
海の泡になって朦朧と夜を渡りたい
明け方を待っていたあの頃のようにうたた寝をしながら
海岸に打ち寄せられた残留物は思念波を発している
思い出を手繰り寄せてはみるものの
何もかも元には戻らなくて
さようならという言葉だけが水面に浮かんでいる
魚の死骸が骨となっても意識を伝えてくる
海月は毒と電気を抱えて月夜に抱かれている
夜風に吹かれて人魚の群れが海岸線の向こうの方で泳いでいる
真珠の粒を吐くアコヤガイが殺さないでと泣いている
こんな夜こんな時間に
私は海の泡になりたい
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コメント
海の泡という言葉から、なぜか（全く知らないようなものですが）ギリシア神話を連想しました。
思い出を手繰り寄せてはみるものの
何もかも元には戻らなくて
さようならという言葉だけが水面に浮かんでいる
という連の詩の言葉が好きです。
あと、
真珠の粒を吐くアコヤガイが殺さないでと泣いている
という詩の言葉にこころが動きます。
@こしごえ
詩の感想をありがとうございました。
丁寧に読んで下さりとても嬉しいです。
ギリシャ神話を思い浮かべて下さったのですね。
気に入って下さった言葉も挙げていただき感謝しております。